人間は位置に関連付けて記憶すると覚えて置きやすいらしい。それを利用した記憶方法として「記憶の宮殿」というものがある。「ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由」という長ったらしい題名の自己啓発本からの知識だ。この本自体は数年前に読み物として読んだだけだった。
1日8時間を勤務に費やし、電車の中では本を読み流すが、頭に残らず。段々ソシャゲばかりする昨今の僕の生活。流石に記憶力の衰えを感じてきた。そういえば小学生の頃、大人になれば記憶力が衰えると聞かされて思った感想が、1日中仕事に追われて、「記憶する」という行為を学徒に比べて行わなくなり、また意図して記憶することもなくなるからではないかと考えた。科学的な脳の衰えを根拠として聞かされても信じなかった。老化により脳機能が衰えた結果による記憶力減退の度合いより、習慣や忙しさにかまけて意図的な記憶や観察がおろそかになることによる低下の方が大きな要素であるのではないか。そう母に考えを伝えて、さんざん馬鹿にされたものだ。
記憶力を鍛える系の自己啓発本を手に取りパラパラめくり、毎日記憶する時間を作るように書いてあったことから、数年前に試みて中座してしまった案件。「いまさらだけど発音記号を覚えてみよう」を再開することとした、記憶の宮殿の作り方の詳細は下のLifehackへのLINKに譲る。とりあえず上述の本から勝手にイメージした僕の記憶をたよりに、案件を再開した。ちょっと補足すると、僕は中高で英語が苦手だったし、いくつかの勉学を放棄してしまったため。大学は出ているが英語はからっきしだ。
僕はガラスの天井付きの中庭を間に置いたコの字型の建物を想像した。コの字の右の縦棒には玄関があり、そこから、左翼の最初の部屋に入る。そこにはエヴァンゲリオンの惣流・アスカ・ラングレーがプラグスーツをまとって椅子に座っており、英語の発音記号のアの3文字を教えてくれる。上述の本を書いた著者は、実際に行ったことのある建物。例えば、美術館などの、各部屋に像を置いたらしい。時に下品だったり、語呂合わせを体現した像をだ。下品だったり性的だったり不道徳なものはずいぶん人間の印象に残りやすい。彼はそれを含めた記憶術を幾つか利用して、全米記憶力チャンピオンになったと言う。僕はそれに倣いアスカがプラグスーツの前のジッパーを外して、下半身に白いマジックで書かれた。4つの発音記号を教えてくれるというイメージを利用してみた。部屋を思い浮かべると、ツンデレな彼女が、ジッパーを外して記号を指でなぞりながら、「ちゃんと覚えてんでしょうね」と対応する。ずいぶんオタクらしい記憶方法だと自負する。
実はリンク先にも書かれている。この方法はかの架空の殺人者、ハンニバルも実践している。あんな緻密で精巧な宮殿である必要はないだろう。特にこの方法を手探りで利用しはじめた最初の間は、その記憶方法に慣れるまでトライエラーを繰り返しながら、粗いイメージで覚えて行けばそのうち色々なものを部屋に置いていったりして、緻密な宮殿とは言わずとも荒削りな館が出来れば良い。部屋にどの程度記憶を置いておけるかも人によって違うようだ。貴方も作ってみてはいかがか?
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