Lesaria の Multiple-Choice

最近、本買いログがメインになっています。たまにPCやガジェットに関して記事にします。

自作小説

第一話 女子高生には向かない職業 シーン13 八神幸子

俺は思っていた。ここ江上吟こうじょうぎんに現れるだろうと。それはガキも同だろう。しかし自分から関わって来たのは意外だった。 「お二人はどんな仕事をされているんですか」「簡単に言うと、便利屋でしてね。こいつは助手です」「じゃあ今日はお仕事の帰…

第一話 女子高生には向かない職業 シーン12 江上吟の酒

ナビの情報を共有して、先を歩くガキを追いながら日の暮れた新橋を銀座に。二人して地面に描かれた矢印を追う。意外なことにガード下の店の間に通路があり、山手線の高架下を線路と並行して伸びていく。まるで狭い坑道の左右に店が並んでいるような錯覚を覚…

睡眠する黒猫のミスリード

■48時間耐久睡眠 一週エントリが空いてしまいました。なぜかというと、寝込んでました。2日に帰宅して38度発熱。いきなりこれならもう治まるだろうと、3日出社して帰宅。38度発熱。金曜日の朝通院してから出社。抗生剤をもらって、良くなるだろう。…

第一話 女子高生には向かない職業 シーン11 差し込みの仕事

私が江上吟こうじょうぎんを検索すると、都内に同名の飲み屋は、一軒だけだ。平澤の言うとおり、銀座にあることが分かった。山手線の車中、通路を挟んで向かいに座るロートルの姿が、渋谷で乗り込んで来た人々の合間から時々見える。恵比寿を過ぎたあたりで…

日記と書いてる小説の裏話的ななにか。

■土曜日の感想 土曜日は食事友達と3人で神保町の青蓮で食事。サイゼリヤで時間を潰して帰宅。その時、「女子高生には向かない職業」を読んでもらい感想を頂いた。攻殻機動隊と似た世界観である点で、二番煎じであることと、その世界観の導入での説明不足を…

第一話 女子高生には向かない職業 シーン9 親不孝な娘

私の倍ほども背丈のあるロートルの後をついて大手町に戻る。右手で背中に吊るす背広が揺れる。前方を確認し難いったらない。西の日比谷通りはもう少し人通りがあるのかもしれないが、私達しかいない。オフィス街というものは、この時間帯は普段もこうなのだ…

第一話 女子高生には向かない職業 シーン8 五菱重工の上司

坂田は明るい灰色の涼しげなスーツ姿だった。タイは青系のストライプ。ボタン・ダウンのワイシャツを着ている。助手に三人分のアイスコーヒーを買いに行かせる。音声チャットでフェアじゃないと喚くので、物理的《フィジカル》な会話を共有した。 挨拶を交わ…

偽りの問題と赤毛の少女

■日記(偽り) 昨日、土曜日は朝11時頃からスポーツクラブ、バイクを漕ぎながら、「ルパン三世」を二話消化。「偽りのファンタジスタ」「生存率0.2%」良いさじ加減、特殊技能系の嘘もそこそこ抑えられ良い味となっている。個人的にはケチを付けるにしても…

第一話 女子高生には向かない職業 シーン7 大手町のカフェ

悩ましい。ここのコーヒーチェーンのアイスはなかなか美味しいのだ。レジ・カウンター横の冷凍庫を覗き込む。「8月のフレーバーまだ食べて無かったのよね」 つい口にでる。辺りを見回して、禿がすでにコーヒーとサンドイッチを盆に乗せて席を探しに行ってる…

第一話 女子高生には向かない職業 シーン6 龍土町の弁護士

俺はその男なら何かしら相談を受けているかもしれないという奥さんの言葉をあてすることにした。旦那とは幼なじみで、今でも一緒に飲み歩くある仲だそうだ。千代田線を乃木坂で降りた。美術館の大きな建物の裏手に、かつて龍土町と呼ばれた一角があり、男は…

第一話 女子高生には向かない職業 シーン5 依頼人

私達を出迎えたのは、拡張現実《アストラル》に現わされた、整った造形、ネクタイに半ズボン姿の少年。「どうぞお上がりください」と促す。スリッパが二足並べられており、禿頭の後に続いて、努めて、馴れているような顔つきでパンプスを脱いでお邪魔する。…

眼鏡とディールと内緒の話

■眼鏡(日記) 土曜日は整体+足裏マッサージを受けてリフレッシュ。六本木まで出てフリホーレスで食事。いつものブリトー・ボール。そこから六本木一丁目。ホテル・オークラを見ながら、桜田通りを北上。桜田門を潜って、二重橋を横目に北上。神保町で古本…

第一話 女子高生には向かない職業 シーン4 お気に召すまま

月曜の朝10時過ぎに、経堂の改札を出ると目の前にガキが腕組をして待ち構えていた。さて、どうしてこんな成り行きになったのか。1日半経った今でも納得が行かない。昨晩の酒が抜けきらぬ頭で思い巡らす。一昨日と同じく、実に偉そうだ。ちょっとの間だけ、目…

第一話 女子高生には向かない職業 シーン3 ちょっとした賭け事

部屋に入った探偵を目で追うと、ドアの右手に離れて置かれた、床からまっすぐに伸びあがったコート掛けからハンガーを手に取る。木製で良く使いこまれている。調度として趣を壊しているのは途中で当て木をして補修されているところだ。 扉の正面、窓の外には…

第一話 女子高生には向かない職業 シーン2 赤毛の少女

ついてない一日だった。昨日の荒事が深夜だったので、起き出したのが昼過ぎ。事務所に向かう途中で日射しを避けて寄ったパチンコでは、どんどん玉が吸い込まれた。次の雀荘では裏ドラまで乗ってて、振り込んだら箱点。だいたい九連宝灯なんて上がれる手かよ…

落書き小説「ルミエール」

「ルミエール」 あの頃の私は胸の中の狂おしい熱に、心が焼けつき、ただれて、それを冷やす無駄な努力をしていた。有り余る金に物を言わせ、毎晩のように女性達と酒を煽る。ブガッティで繰り出し。早い時間はクラブでモエシャントン、ドンペリ、クリュグ。そ…

第一話 女子高生には向かない職業 シーン1 エウレカ

大小のビルの間から、渋谷の狭い夜空から月が覗く。道玄坂に抜けるはずの路上でクロエは私に支えられながら、目を輝かせて大きな声で言ったのだ。 「今夜のムオトはきっと今世紀最高の選曲だったんだわーー!」 最後の方は叫んでた。 彼女は酔っていた。人生…

公開小説一覧

■落書き小説 「小さくなったドラえもん」 初版 2015/04/19 「ルミエール」 初版 2015/05/23 ■探偵少女エリカと拡張された事件簿 第一話 女子高生には向かない職業(全17シーン 完結) 第二話 長いお別れ(全16シーン完結) ※ 2016/04/16 第一話へのリン…

落書き小説 「小さくなったドラえもん」

「小さくなったドラえもん」 ドラえもんが小さくなった。気がついたのは今だけれど、テレビに映るその大きさが半分ぐらいになった印象を受ける。よくよく見ると作画上のズームの問題ではなく、明らかに他の登場人物との対比上の問題に思う。漫画の絵柄が巻数…