第二話 長いお別れ シーン6 母の思惑

「まぁ、娘の遺伝子をデザインしてやれるなら、それはそうか」 俺は腰を庇って曲げながら、高級そうなタワーマンションを見上げ、自分でも器用と思うような姿勢で呟いた。 あの後、道中、流石に揺れる電車の中で立ったままでいるのはリスクだった。なので、どうにかシートに腰を下ろして、山手線で品川まで来た。だが、受…