第一話 女子高生には向かない職業 シーン9 親不孝な娘

私の倍ほども背丈のあるロートルの後をついて大手町に戻る。右手で背中に吊るす背広が揺れる。前方を確認し難いったらない。西の日比谷通りはもう少し人通りがあるのかもしれないが、私達しかいない。オフィス街というものは、この時間帯は普段もこうなのだろうか。 ロートルは時折、自然に私を振り返る。実際は尾行を気に…