第一話 女子高生には向かない職業 シーン3 ちょっとした賭け事

部屋に入った探偵を目で追うと、ドアの右手に離れて置かれた、床からまっすぐに伸びあがったコート掛けからハンガーを手に取る。木製で良く使いこまれている。調度として趣を壊しているのは途中で当て木をして補修されているところだ。 扉の正面、窓の外には、通りを挟んだ向かいの白いビルが見える。それらを背にして雑然…